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2025年10月23日
お知らせ【知ってると得】オイル交換だけじゃダメ!エンジン性能を維持するためにオイルエレメント交換は不可欠!「ろ過」の重要性
エンジンオイルの「寿命」とオイルエレメントの役割
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑・冷却・密閉・清浄という多岐にわたる重要な役割を担っています。しかし、その役割の過程でオイルは徐々に劣化し、不純物を取り込みます。
多くのドライバーが定期的にエンジンオイルを交換していますが、実はオイル交換だけでは不十分である、という事実をご存じでしょうか。エンジン性能を長期にわたり維持するためには、オイルとセットで「オイルエレメント(オイルフィルター)」の交換が不可欠です。本記事では、その鍵となる**「ろ過」**の重要性について徹底解説します。
第1章:「ろ過」の重要性:見えない敵がエンジンを蝕む
エンジンは、燃焼と金属の摩擦によって常に様々な「ゴミ」を生み出しています。これこそが、オイルエレメントが取り除くべき「見えない敵」です。
エンジン内部で発生する不純物には、主に以下のものがあります。
金属摩耗粉(スラッジ):摩擦によって生じた微細な金属の削りカス。
カーボン(すす):燃焼の際に発生する炭化物。
異物:外部から混入したチリやホコリ。
これらの不純物がオイル中に混ざったまま循環すると、エンジン内部の精密な部品間で**「研磨剤」**として働き、摩擦を増大させ、摩耗を急速に促進させます。これはエンジンの寿命を縮めるだけでなく、燃費の悪化やパワーダウンにも直結します。
オイルエレメントは、この不純物をオイルから物理的に取り除き、クリーンな状態に保つための**「最後の砦」**であり、エンジンを守るために必要不可欠な機能なのです。
第2章:オイルエレメントの機能とメカニズム
オイルエレメントは、非常に微細な孔を持つ**ろ紙(フィルターペーパー)**が、効率よくろ過するために蛇腹状に折り畳まれた構造をしています。
エレメントの内部では、劣化したオイルがこのろ紙を通過する際に、金属摩耗粉やカーボンなどの不純物が捕捉・除去されます。この**「ろ過」の原理**により、オイルは清浄な状態を保ち、エンジン内部をスムーズに循環し続けることができます。
また、エレメントには「バイパスバルブ」という緊急機能が備わっています。万が一、エレメントが極度に目詰まりを起こしてオイルが通過できなくなった場合、このバルブが開き、ろ過されていないオイルを一時的に循環させます。これは、オイルがまったく循環せずにエンジンが焼き付く事態を避けるための安全装置ですが、バルブが開いている間は「ノーフィルター状態」であり、不純物がそのままエンジン内部を巡る非常に危険な状態となります。
第3章:なぜオイル交換とエレメント交換は「セット」なのか?
オイルを新しく交換する際、「エレメントは前回換えたから大丈夫」と交換を見送る方もいます。しかし、これがエンジン性能の低下を招く大きな要因となります。
古いエレメントの中には、これまで捕捉してきた大量の不純物が残ったままになっています。この状態で新しいオイルを注入すると、残された不純物がすぐに溶け出し、交換したばかりのクリーンなオイルを瞬時に汚染してしまいます。これでは、オイル交換のメリットが半減してしまいます。
さらに、使用済みのエレメントは時間と共に**「目詰まり」**を起こし、ろ過能力が低下しています。ろ過能力が落ちれば、クリーンなオイルを供給できなくなるだけでなく、最悪の場合は前述のバイパスバルブが開き、ろ過を完全に放棄したオイルがエンジンを循環し始めるリスクが高まります。
だからこそ、オイルを新しくするタイミングで、不純物を完全に閉じ込めたエレメントも同時に交換することが、エンジンを最高の状態に保つための鉄則なのです。
まとめ:エレメント交換はエンジン性能維持への「投資」
オイルエレメント交換は、単なる消耗品の交換ではありません。エンジン内部を常に清浄に保ち、**エンジン本来の性能を発揮させ、寿命を最大限に延ばすための「投資」**です。
一般的に、エレメント交換はオイル交換2回につき1回、または車種や走行状況に応じて推奨されています。愛車を長く、快適に、そして最高のコンディションで乗り続けるためにも、次回オイル交換の際は、オイルエレメントの交換もセットで行うことを強く推奨します。
この必須メンテナンスを怠らず、愛車の**「ろ過」**という大切な機能を守りましょう。
